野球肘、テニス肘・症例1
いつも、ついつい野球少年と出会う度にワクワクします。
私自身、怪我の多い野球人生でしたので
怪我してる野球少年と自分の昔を重ねます。
怪我をしている自分と、目の前でのびのびとプレーしてる仲間たち。
こんなに歯がゆいことはありません。
まだまだ未熟者の自分ですが、
今持てる最大限の知識と技術で全力でサポートしていきたいと思います
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症例:高校生男子
主訴:左肘の痛み・腰の痛み
現病歴:中学生の時に利き腕を離断性骨軟骨炎の為、手術。
腰痛は少し前からある。
所見:左肘関節最大伸展が不可。
左前腕屈筋群・伸筋群の筋緊張異常。
左肘の外側上顆・内側上顆に圧痛あり。
肘頭外側部に違和感あり。
腰部伸展時・屈曲時に疼痛。
腸腰筋に筋緊張異常と筋力低下あり。
施術:まずは腰部。
いつもの㊙テストで腸腰筋の異常を確認。
本人・親とも爆笑www
○○にて腸腰筋の異常を除去。
この時点で立位にて確認してみると、腰部伸展時の痛みは消去。
次に左肘関節。
内側上顆・外側上顆の圧痛を○○にて消去。
肘頭外側部の違和感をタッチにて治す。
この時点で完全伸展不可能だった肘関節が少し伸び始める。
肘の異常をとると腰部屈曲時の痛みも消去。
最後に、投球・打撃フォーム指導。
投球フォーム確認中…
私『あっ、そこ×です!!ここが、こうなってるから。』
私『ここを、もうちょっとこうしたら力が入るから!』
本人『ほんまや、力入りました』
親『いや~昔から間違って教えてました…』
肘付近の靭帯・筋肉の損傷がひどかったので今日はこれにて終了。
経過観察ですが、きっと良くなると思います。
考察:
離断性骨軟骨炎:Wikipediaより
10代の男性に好発するが、高年齢者、小児にも生じる。最も好発する部位は膝関節の大腿骨顆間窩の内側顆に面する壁である。肘関節では上腕骨小頭部に最も多い。
跳躍をともなう競技の選手では膝離断性骨軟骨炎が多く見られ、スポーツ外傷、循環器障害などによるものとされる。膝離断性骨軟骨炎では、膝の屈伸時に一定の角度を超えて伸展できないロッキングと呼ばれる症状を呈する。
肘関節に発生するものとしては、野球肘、ゴルフ肘、テニス肘の呼称で広く知られる上腕骨外側上顆炎、上腕骨内側上顆炎がある。
疼痛は主に運動痛で、一般に軽度であるが、無腐性壊死avascular necrosisを起こした骨軟骨片が関節面から遊離して関節遊離体となると、関節炎を引き起こしたり、場合によっては関節面間に嵌頓することで疼痛や関節運動障害の原因となる。また時として陳旧性のものは変形性関節症 osteoarthritis [2]に移行することがある。
X線像は特異的で、関節面に一致して円形もしくは楕円形の周囲輪郭が硬化した透明像を認め、内部には後に遊離体となる骨硬化像が確認できる。
治療に際しては早期の安静や固定により経過をみるが、大きいものでは病巣部の摘出を行い、その後の欠損部には骨移植を施す。小範囲の病巣部は切除のみ行う。あるいは関節鏡視下での穿孔術によっても治癒する。
ただここに至るまでに対処はできると思います。
歪みを放置・我慢したままプレーすると悪化します。
成長期のスポーツ障害ほど、早期発見・早期治療です!
ただし、ほとんどの指導者は知りません"(-""-)"
プロの選手でも怪我したら2軍落ち・・・
MLBでも怪我したら故障者リスト入り・・・
では身体のできてない小学生は?中学生は?
毎週土日はダブルヘッダーですよ。
身体能力の高い子が投手か捕手になりますが。
監督さん、チームの勝利にこだわりすぎて、
その選手の将来考えてます?
僕の恩師は昔から徹底してました。
怪我したら試合に出さない、練習させない。
寒い冬はボールを投げささない。
あたりまえ~あたりまえ~
プロの投手の肘の怪我は、成長期の怪我の名残とも言われてます。
皆がプロになるわけではないけれど、
医療人として、もっと正しい知識の普及を願います。