野球肩・症例4(関節唇損傷と診断された痛み)

野球肩・症例4(関節唇損傷と診断された痛み)

2015.07.21

一般の方が病院に行って診断名を聞いた時、
『???』ってなるときないでしょうか?


聞きなれない言葉。難しそうな病名。
なんかそれだけでショックで悪くなりそうですね∑(゚Д゚)


こんな仕事をしていると患者様から病院ではこう言われたと、よく聞きますよね。


『変形性◯◯』だとか『ヘルニア』『狭窄症』などなど。
世の中、病名であふれかえってますね。


確かに診断は大切です。
ですが診断名は必要なんでしょうか?


あくまで診療報酬を請求する為に必要なもの。


診断とは判断ですよね?
いろんな違う生活スタイルや既往歴の違いがあるのに、
ひとつの単語でまとめて大丈夫なのでしょうか?


同じ症状の患者様ってそんなに多くないですよ。
人それぞれ微妙に違います。だけど診断名は同じ。


患者様は診断名を信じます。けど時に誤解を生むこともあるでしょう。本当は違うのにその診断名をつけられたことによって。


だからこそ、私たち施療者の診る目は大切です。
技術よりも、判断する脳が必要なんですね。


症例
患者:16歳高校球児


主訴:投げる際の肩の抜ける様な痛み、肩の張り


現病歴:
高校に入学して硬式球を投げ始めてから、投球時に痛みがでるようになる。
整形外科を周りMRIの結果、右肩関節唇損傷、右棘下筋関節側面断裂と診断される。


所見:
右肩関節可動域正常。
右肘関節外旋制限。前腕屈筋群と伸筋群ともに筋力異常。
鎖骨と胸郭の可動域制限。
腹部筋力低下。左股関節外旋制限、腸腰筋拘縮あり。
右股関節内旋制限、臀部筋力異常。


施療:
まずおかしいと思いました。
関節唇損傷に棘下筋の部分断裂があって、可動域正常な訳がない。
色んなテストをしてみたものの、全てクリア。


これは肩の痛みは肩にないものとして、施療をすすめました。


肘7割、下半身3割くらいですかね〜感覚的な原因は。


極め付けはこの会話。
私『投げる時に痛む筋肉はどこ?ピンポイントで指で触ってみて』
患者『ここです。この硬いやつ。』
私『棘下筋?いやいや、これは三角筋でしょ』
患者『・・・(・・?)』


右肘と前腕の位置異常を脳反射にて修正。
伸筋群と屈筋群の異常緊張をリリース。


左腸腰筋緊張をリリース。
外旋制限を修正。


腹部筋力異常をタッチにて修正。


この時点で患者に確認。
私『どう?痛い筋肉触ってみて』
患者『ふにゃふにゃになってます!』


正しい投球フォームを教えて、なんで痛みが出たかを説明して終わり。


考察:
最初来院された時に、付き添いのお父さんが画像診断結果を伝え始めました。
隣にいた少年は暗い顔。


画像診断は大切です。ですが全てではないと思います。
画像を見るお医者様によっても診断名は変わってきます。
だって人間ですから。


ただし、診断は一度きりの場合が多いですよね。
だからこそ重要。
告げられた患者はその名前に縛り付けられます。


私の施術はその点気楽かもしれません。
仮説→検査→判断→施術→評価
いつもこれの繰り返し。
うまくいかない時はやり直し(; ̄O ̄)


少しでも早く的確に治す為に精度を上げる。
その為に毎日勉強して、施術に向かいます。


まだまだ1度で完璧!というわけにいかない場合が多いですが、
日々、月々、年々。。。
その精度は上がってきてるのは実感しています。


施術が終わって、少し良くなりました。
希望が見えた時の少年のキラキラの笑顔が印象的でした。


早く投球再開できるといいですね。
私も頑張りますよ〜!

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